豪州で初めて不動産を買ってみた

オーストラリアで初めてアパート(オーストラリアではマンションもApartmentといいます)を買った時の話しを書き残しておきます。うちもですが、海外で初めて家を買うってすごく大変に感じませんか?我が家のケースを包み隠さず書き残しておくのでどなたかの参考になれば嬉しいです。
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オーストラリアの不動産事情
オーストラリアの空室率は1%以下などとても低く、特にコロナ禍後に移民が激増した今、物件探しはオーストラリア国民や永住者であっても大変です。そして不動産売買が活発なので我が家のケースのように賃貸物件を「オーナーが家を売るから」と何度も追い出されることもありますし、実際に法律上も60日以上の期間があれば退去勧告を簡単にできます。家探しもとても大変なので、周りを見ていても、自分たちのケースでも、いつまで借りられるか計画のできない賃貸を諦めて家を買う羽目になるパターンがけっこうあります。
因みにですが、オーストラリアでは家を買う時に一生住むと思って買うケースは少ないです。そもそも値段が高すぎて1軒目に買いたい家を買うことができないことも要因です。シドニーやメルボルンのシティ周辺でまともな家を買おうと思うなら($1.8M)1.8億円くらい、メルボルンなら($1.2M)1.2億円くらいは少なくてもみておきたいところ。でもマンションならまだ半額くらいで買える感じです。
売り手市場で不動産価格がずっと上がっているため、まずは買える範囲の1軒目の物件を買って、価値が上がった時に売るか査定をしてもらい、収益分を2軒目のデポジットにして買い替え/住み替えていくのが基本です。また子供が家を出たらダウンサイジングして都心のアパートに引っ越したり。なのでローンを30年とかで組んでもそれを30年返すことは考えて借りていません。買った家に一生住むと思っていた日本人の私にはカルチャーショックでしたが皆さんはどうでしょう?
我が家もこの物件を契約した時点では夫婦二人だったので、数年住んだ後に投資物件として運用することを考え、とにかくロケーション重視で購入しました。が、完成する前に借りていたアパートを「オーナーが売るから」と追い出され、そもそも子供が生まれて家族が一人増えて、2軒目は中古の家を買って全く別の街に引っ越すことになるんですが…。




新築マンション購入体験(メルボルンの都心)
我が家の不動産1軒目:Off the plan新築マンション購入体験はこちら
ロケーション:メルボルンCBDから4キロ
最寄りのメトロの駅から徒歩7分、マーケット、銀行、スーパー、大きな病院やビクトリア大学までも近い、川や公園に面していて、カフェやレストラン、食料品店まで徒歩数分で車がなくても生活に困らない。電車・トラム・バスなど複数の公共交通機関でのアクセスがある。
間取り:2 bedroom 2 bath 1 car 1 storage cage
共有エリア:ジム,パノラマビューの屋上,ラウンジ×2,キッチン&ダイニング,BBQ,図書館,ビジネスセンター,屋上シネマ,エントランス横に公園(現在建設中),将来的には隣に2棟目が建ちプールもできるとか…)
完成予定:2021年年末 →2023年前半に完成
値段:$600K(約6000万円) (2019年購入時点)
→2024年前半時点で$660Kの銀行評価額。同様の間取りが760K(約7600万円)で2024年中旬に販売されていることから、楽観的に見れば完成してから1.5年(契約から5年)で既に150K(1500万円)以上の価値が上がっているといえるかなと。コロナ禍でビクトリア州政府が税金を使い過ぎたせいでビクトリア州の不動産売買が若干冷え込んでいるのでこのままコンスタントに上がってくれたらいいのですが。一般的に不動産は7-10年くらい持って値段が1.5-2倍程度になってから売る、または売らずに長期で賃貸運用にしておくのが多いようです。
裏話:この物件は「そのエリアはリスクが高いから止めておとけ」と数人の不動産コンサルから言われた物件です。特に不動産=土地の投資というストラテジーの不動産コンサルからは都心のラグジョアリーアパートメント系は基本的に反対される傾向が強いのを感じました。もちろん販売している不動産コンサルからは勧められて買いましたよ。私たちももちろん自分たちなりにリサーチはしました。決め手は間取りやビルの完成のイメージの雰囲気やコンセプトが好きだったのと、メルボルンのベンダーとビルダーが組んでいて、彼らが過去に組んだビルも完成度が高く見えた(というより、完成予想図と完成品の差がとても少なく)信用できると感じたのが大きかったです。もちろん予算内より低めだったのも大きな要素です。予算低めで1軒目を買ったおかげで1軒目を賃貸に出しながら2軒目がすぐに買えたので悪くない決断だったと思います。
新築図面でマンション購入(Off the planのApartment)
実はこの物件は不動産コンサルを通して契約したものです。不動産コンサルには無料と有料の会社がありますが、私達が利用したのは無料の方です。コンサル会社はベンダーからキックバックで3%程度もらっていますので、クライアント(購入者)からはお金を受け取らないケースも多いです。今までに、ローカルメインで不動産コンサルなるもの5社くらいあたりました。たまたま行った日本語の不動産セミナーでこの物件の紹介があり、物件が気に入ったので不動産コンサルを通して購入しましたが、正直なところ不動産コンサルを使うメリットがあるかは疑問です。ベンダーから直接買っても値段は同じですし、コンサルを通すよりも良いオプションを無料でつけてくれたりするケースもあるので、条件次第でうまく使うといいのかなという印象です。因みに全てが分業なこの国。不動産コンサルが「うちで全てやります」と言ったとしても、結局のところ分業制でそれぞれパートナー企業などを紹介してもらうことになるため、それぞれに連絡をとる手間は変わらずあまりメリットは感じられませんでした。不動産購入には下記のような業者とのやり取りが必要になります。
・不動産サプライヤー(ベンダー)ー 契約、保証
・建設会社(ビルダー)ー 完成後のビルの不具合など、ベンダーを通してやり取りになることも
・弁護士|弁理士 ー オーストラリアの不動産売買契約に必要
・モーゲージブローカー ー ローンを組む場合、オーストラリアでは銀行やローン会社と契約する場合でも間にモーゲージブローカーを入れて契約することがほとんど。ブローカーは銀行から成果報酬を受け取るためローンを借りる人に手数料はチャージされない
・ビルディングインスペクションのための専門のインスペクター
・ボディーコーポレーション(ビルの管理会社)
コンサルは契約まではどこも良いこと言うんですけどね。実際のフォローアップはほぼなし。我が家のケースは、契約まではマメに連絡があり、あとは契約後に1度だけグループディナーに招待されただけで、「ファイナルインスペクションやローンを組むのも全部手伝うから!管理会社も紹介できる」と言われていたもののアパート完成時を含めて一切連絡がありませんでした。一応、2軒目を買う時にも相談したのですが、中古物件は扱っていないとのことで新築を勧められて終わりました(笑)。あくまでも契約までが彼らの勝負なのです。まあ、クライアントからお金を受け取っていないのでそうなりますよね。また、有料の不動産コンサルで年会費などを取り複数の投資物件で長期的な運用のアドバイスを行うところもあり、不動産投資のストラテジーも様々。色々当たってみると特徴があってよいかと思います。そして、可能であれば紹介が最もハズレが少ないです。会社だけでなくて(担当者による当たり外れがあるので)具体的に担当者まで紹介してもらうのが失敗しにくいかと思います。
図面で買うことをOff the planといいます
日本にも新築の物件をモデルハウスや図面で見て購入することがありますが、オーストラリアにも同じ方法があります。このOff the planはまで実際に建っていない物件を、モデルハウスやモデルルームまたは図面を見て契約するわけですが、完成までの間に時間がある事が多いため、契約時に10%程度のデポジットを支払った後、完成して実際にローンの支払いが開始されるまでにお金を貯める時間稼ぎができます。捉え方によっては、今の不動産価格で完成予定の数年後の不動産を予約できるみたいな感じです。
州によってこの特にFirst home buyer/1軒目の購入者へのOff the plan物件に補助金や税金面で優遇を行っていることがあるので、うまく活用すると数万ドル以上の節約になったりします。我が家はビクトリア州で当時やっていたFirst home grantというのを使い、Stamp dutyが免除となり3.5万ドルくらい節約になりました。友人の中にはビクトリア州の制度を使って5%のDeposit/頭金で最初の物件を購入した人もいますが、一般には10%程度の頭金で購入が可能です。もちろんですが頭金は多いほどローンの支払は少なくなります。
ローンを組む
家を買うのは大きなお金が必要です。購入前にどの程度ローンが組める(借りれる)のかをMortgage brokerモーゲージブローカーを使って確かめる必要があります。オーストラリアでは特殊なケースを除いては直接銀行でローンを組むのではなく、間にモーゲージブローカーを挟むのが一般的です。契約に関わる全てのやり取りがブローカーとになります。ブローカーは銀行やローン会社から紹介料をもらうため、借り手からはお金はとりません。しっかり話しを聞いてくれるブローカーを探しましょう。また、オーストラリアには日本のようにフラット固定金利みたいなローンがありません。固定できるのはせいぜい最初の1,2年で、あとはインフレに合わせて変動していきます。我が家の場合ローンを組んだ2022年に2.5%だった金利が6,25%まで上がっています。月に2000ドル程度のローン支払いだと思ったら3000ドルになった悪夢のようなパターンですが、実際に起こり得ます。
不動産購入の感想
実は、この物件の完成を待っている間に借りていたアパートを、オーナーが売るからと追い出されて、2022年に2軒目に中古の家を全く違う街の郊外に買うハメになったのですが、それもいつかシェアしますね!(やっぱり一筋縄ではいかない国。中古物件ならではのドタバタもありました。)
最後まで読んでいただきありがとうございます。ぜひまたオーストラリアガイドを覗きにきてくださいね。Yuri


