オーストラリア6万年の食文化BushTuckerって?
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オーストラリアに住んでいると「Bush Tucker(ブッシュ・タッカー)」という言葉を聞いて、「はてなんぞや?」と思ったことはありませんか?実は、ブッシュ・タッカーは、伝統的なオーストラリア先住民の食文化で、6万年以上前からオーストラリアの先住民であるアボリジナルやトレス海峡島民の人々が利用してきた野生の食材や食物を指す言葉なんだそう。ブッシュ・タッカーはBush food(ブッシュ・フード)と呼ばれることもあります。
先住民の伝統食文化、ブッシュ・タッカー
ブッシュ・タッカーはわからなくても、カンガルー肉のステーキなら聞いたことがある人も多いはず。それも実はブッシュ・タッカー(アボリジナル料理)なんだそう。色々呼び方があって、ブッシュ・フード/インディジーニス・フード/ネイティブ・フード/ファースト・ネーションズ・フードなどとも言われたりします。要はオーストラリア固有の植物や動物を使った料理のことをブッシュ・タッカーやアボリジナル料理などと呼ぶと捉えておけばよさそう。有名な食材にはワトルシード、フィンガーライム、カカドゥプラム、クワンダン、ブッシュトマト、カンガルー肉、エミュー、ワニ肉など。*現在アボリジ二は差別用語となりアボリジナルまたはアボリジナルピープルと呼ばれています。
歴史
ブッシュ・タッカーは、オーストラリアの先住民の人々の知恵と文化であり生活の一部です。6万年もの歳月をオーストラリアの大地と共生し、伝統的な狩猟・採集生活を行い、季節ごとに収穫できる植物や動物を使って生活をしていました。野草を薬草代わりにも使ったり、それぞれの土地や季節の変化に適応する知恵を代々引き継いできたのだそうです。日本でも季節の食材や薬草など地域の自然素材が伝統的に使われてきた歴史がありますし、通ずるものがありますよね。
因みにこのパンはWattleseed(ワトルシード)というオーストラリア・アカシアの木からとれた木の実を使ったパンにチーズを載せたもの。トッピングに使われているのはSaltbush(ソルトブッシュ)という塩見のあるネイティブブッシュハーブと紫の花はEmu bush(エミューブッシュ)というネイティブフラワー。
*この記事に載せている写真は全て実際に私が行って食べたものです*
料理の特徴
ブッシュ・タッカー料理は、独特の風味と栄養価が特徴です。多くのブッシュ・フードは、ビタミンやミネラル、抗酸化物質が豊富で、特にスーパーフードとして注目されています。例えば、フィンガーライムは高いビタミンCを含み、カカドゥプラムは強力な抗酸化物質が豊富です。また、これらの食材は伝統的な薬としても利用されてきた長い歴史があります。現代では、ブッシュ・タッカーはオーストラリア料理やレストランに取り入れられ、ユニークな風味と文化を融合させた新しい創作料理として人気があります。料理はシンプルで、食材本来の自然な風味を活かすことが特徴です。
有名な料理
カンガルー・ステーキ
高たんぱくで低脂肪のカンガルー肉を使用したステーキ。レッドワインやベリーソースと一緒に提供されることが多い印象です。写真はビクトリア州のAtticaが期間限定で出店していたお店のカンガルー肉のBBQ。クセが強いと言われるカンガルー肉も上手く調理すればラムやビーフにも劣らず、美味しくいただけます。脂肪分5%以下の赤身肉は健康を気にする人にも嬉しい素材といえそうです。
ワトルシード・ダンパー
Wattleseedワトルシード(アカシアの種子)を使ったパンの一種で、香ばしいナッツのような風味が特徴。ここにも旬のオーストラリアの植物や花を混ぜ込んだりして味を付けます。ワトルシードは先住民が主食として食べていたのだそう。写真は実際に地域のフェスティバルでダンパーを作らせてもらった時のもの。木の棒に巻き付けたダンパーの生地を焚き火で炙って火を通しました。食欲をそそる香ばしい香りがあたりに立ち込め、まるで食事の時間の合図のようでした。
フィンガーライム 添え
シトラス風味のフィンガーライムの果肉は、シーフードや肉・デザートに添えられます。写真のピンクのつぶつぶがフィンガーライムの果肉。プチプチとした食感にシトラスの爽やかな風味が肉の臭みや濃さもリフレッシュしてくれます。この肉はビーフですが、その下のオイルはRiver mint(リバーミント)というネーティブハーブ。うまく説明できないのだけど、ペパーミントやスペアミントとはまた違う味わい。一株庭に植えておくとブッシュレベルに良く育つので、虫よけにもおすすめ。
エミュー肉のスモーク
エミューの肉をスモークし、サラダやサンドイッチの具材にします。こちらはエミュー肉のソーセージロールをソルトブッシュをのせて仕上げたもの。
Davidson Plum(デイビットソンプラムというネイティブプラム)
こちらはデイビットソンプラムのソルベ。甘酸っぱいソルベにRiver mint(リバーミント)のオイルがベースに使われ、チョコレートブラウニーとチョコレートソースでバランスされたデザート。ほのかに香るハーブがソルベとチョコを引き立てます。
Bunya nut(ブンヤナッツ)というネイティブナッツ
こちらはグリルチキンにリバーミントオイルとローストした香ばしいブンヤナッツとイエローカプシカムのディップ添え。ネイティブフラワーやプランツも添えられていました。
Karkalla Punnet(カルカラ・パネット)
カンガルー肉のサラダの上に乗っているハーブはカルカラ・パネットという塩気を含んだ肉厚のブッシュプランツ。カンガルー肉の赤身感とバランスさせるフレッシュなブッシュと何かわからないけどネーティブハーズとプチプチなシーズニングが印象的。
Lemon Myrtle(レモンマートルというネイティブプランツ)
レモンマートルの花とネイティブミントソースをあしらったトマトサラダ。ほのかな花の香りがトマトと共に鼻を抜ける感じが良いアクセントに。
まとめ
どうですか?ブッシュ・フードを取り入れた料理、意外と美味しそうに見えませんか?オーストラリアの豊かな文化と自然の多様性を感じさせる料理、食べてみたいという方に…。今、ブッシュ・タッカーが食べられる有名店リストをつくっています。長くなりそうなので、リストは次回投稿するのでまたオーストラリアガイドを覗きにきてくださいね♪Yuri
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