頭金5%で家を買う制度改定|2025年10月

頭金を貯めているうちに不動産価格が上がっていくー!賃貸だと予期せぬ引っ越しが…。という方に朗報となるかもしれない、今回は、最初の家を政府のサポートを受けて頭金5%で家を買える制度通称Australian Government 5% Deposit Schemeのご紹介。(初めての制度ではなく、もともとあった制度に変更点があるというものです。)
頭金5%で家を買う制度改正
限定地域だったのが、2025年10月からオーストラリア全土を対象に適用され収入制限も撤廃され、更に多くの方がこの制度を使いやすくなります。この制度は、オーストラリア永住者市民が対象となります。
スキーム(制度)の概要
このスキームは、住宅購入者が通常必要とされる20%の頭金(デポジット)を用意できない場合でも、政府が一部を保証することで、少額のデポジット(5%または2%)で住宅ローンを組めるように支援するものです。最大のメリットは、通常デポジットが20%未満の場合に課されるLenders Mortgage Insurance (LMI)、つまり貸し手側が借り手の債務不履行に備えて加入する「レンダーズ・モーゲージ・インシュアランス」(住宅ローン保険)の支払いが免除される点です。これにより、購入者の初期費用を大幅に削減し、住宅購入までの貯蓄期間を短縮できます。
2025年10月1日からの主な変更点
このスキームは「ファースト・ホーム・ギャランティー」(First Home Guarantee)を中心に、本日より大幅に拡張されました。
- 対象者の拡大と制限の撤廃:
- 所得制限の撤廃: 申請者の所得上限が撤廃されました(従来は単身者200,000)。
- 枠数(定員)の撤廃: 各保証スキームの年間枠数制限が撤廃され、無制限になりました。
- 住宅価格の上限の引き上げ: 地域ごとの住宅価格の上限が引き上げられました。
- 主な保証スキーム
「ホーム・ギャランティー・スキーム」には、主に以下の3つのストリームがあります。
スキーム名 | 主な対象者 | 最低デポジット率 | 政府保証割合 (最大) |
ファースト・ホーム・ギャランティー (First Home Guarantee) | すべての初回住宅購入者、または過去10年間で住宅を所有していない以前の所有者。 | 5% | 最大 15% (ローン総額を95%に抑える) |
ファミリー・ホーム・ギャランティー (Family Home Guarantee) | 1人以上の扶養家族を持つひとり親(シングル・ペアレント)または法定後見人。以前の住宅所有者も対象となる場合がありますが、新居の決済時に他の住宅権益がないことが条件。 | 2% | 最大 18% (ローン総額を98%に抑える) |
リージョナル・ファースト・ホーム・バイヤー・ギャランティー (Regional First Home Buyer Guarantee) | 地方(リージョナル・エリア)で住宅を購入する、初回購入者または過去10年間で住宅を所有していない以前の所有者。購入前の12ヶ月間、購入する地域または隣接地域に居住していたことが条件。 | 5% | 最大 15% (ローン総額を95%に抑える) |
共通の主な資格基準(抜粋)
- 年齢: 18歳以上であること。
- 居住ステータス: オーストラリア市民権または永住権を保持していること。
- 居住要件: 購入または建設する住宅に自ら居住する(投資目的ではない)こと。
- 住宅ローン: 参加銀行(Participating Lender)からのオーナー・オキュパイア(自住)用住宅ローンであること。
申請方法
- このスキームは、政府機関の「ハウジング・オーストラリア」(Housing Australia)によって管理されていますが、購入者は直接政府に申請するのではなく、スキームに参加している金融機関(銀行など)を通じて住宅ローンの申請と同時に行います。
注意事項
- LMIは免除されますが、印紙税(Stamp Duty)や弁護士費用などのその他の住宅購入にかかる諸費用は、スキームの対象外であり、購入者が負担する必要があります。
- スキームの利用には、各金融機関の独自の融資基準(返済能力の審査など)を満たす必要があります。
- 申請者は、政府が設定した住宅価格の上限(Property Price Cap)以下の物件を購入する必要があります。上限額は州や地域によって異なります。
地域ごとの住宅価格上限額(Property Price Cap)
2025年10月1日より適用される、地域ごとの住宅価格の上限額(購入価格または物件価値のいずれか低い方)は以下の通りです。この価格を超えると、スキームの利用資格を失います。
州・地域 | 都市圏および主要地域 | その他の地域 (Other Areas) |
ニューサウスウェールズ州 (NSW) | $1,500,000 | $800,000 |
ビクトリア州 (VIC) | $950,000 | $650,000 |
クイーンズランド州 (QLD) | $1,000,000 | $700,000 |
西オーストラリア州 (WA) | $850,000 | $600,000 |
南オーストラリア州 (SA) | $900,000 | $500,000 |
タスマニア州 (TAS) | $700,000 | $550,000 |
オーストラリア首都特別地域 (ACT) | $1,000,000 | – |
ノーザンテリトリー (NT) | $600,000 | – |
ジャービス・ベイ準州およびノーフォーク島 | $550,000 | – |
クリスマス島およびココス(キーリング)諸島 | $400,000 | – |
ローンの継続要件と繰り上げ返済に関する規制
スキームの資格を維持するために、ローンに関する以下の重要な要件があります。
居住要件(Owner-Occupier Requirement)
- 「ローン完済までの居住」は義務ではありませんが、「政府保証の有効期間中の居住」は必須です。
- 義務: 住宅購入者は、購入した住宅に**主たる居住者(Owner-Occupier)**として居住し続ける必要があります。投資物件の購入はスキームの対象外です。
- 違反の場合: 住宅に居住しなくなった場合、または投資物件として使用した場合、政府による保証(Guarantee)は適用されなくなります。その結果、金融機関(レンダー)は、通常通りLMI(住宅ローン保険)の支払いを要求したり、ローン契約の条件を変更したりする可能性があります。
繰り上げ返済(Early Repayment / Prepayment)の制限や規制
- 繰り上げ返済自体に「規制」はありません。 ローン契約に基づき、繰り上げ返済は自由に行えます。
- 重要事項: スキームによる政府保証は、ローン残高が物件価値の80%以下(LVR 80%以下)になった時点で自動的に終了します。
- LVR 80%以下になった場合: この時点をもって、ローン残高に対するリスクが低減したと見なされ、もはや政府保証の必要がなくなります。この後もローンは継続しますが、スキームの要件(例:オーナー・オキュパイアであること)を満たし続ける義務はなくなります。
- ただし、ローンの解約や繰り上げ返済には、銀行が定める手数料が発生する場合があるため、事前に契約内容を確認する必要があります。
まとめ
高額なオーストラリア不動産ですが、5%のデポジットなら不動産が買えそう!という方も多いのではないでしょうか。
因みに、オーストラリアは不動産も超分業制。日本語が話せる不動産コンサルなどに、まずは話を聞いてみるのも良いかもしれません。(ただし、当たり前ですが、良いことしか言わないので、常にDo your own researchでいきましょう!)
興味のある方は、2019年の体験ですが、私達夫婦が不動産を買った時の「豪州で初めて不動産を買ってみた」の記事等も参考にされてみてください。




あと、気になるエリアの不動産マーケットのリサーチから始めてみるのもオススメです。私は下記の2サイトのサバーブプロファイルを参考にエリアごとのマーケットをリサーチしてから不動産を探しました。サバーブの特徴を見ているだけでも、ここに住みたいな!と妄想が膨らみます(笑)
オーストラリアガイドを見てくださってありがとうございます。またぜひ覗きにきてくださいね♡ YURI

