損しない、交通事故や仕事の怪我の対処法


誰も代わりにやってくれない、教えてくれないオーストラリア。今回は、私がプライベートでも親交のあるMireiさんに会った時に聞いた話の中で「えー!知らないとめっちゃ損するね!意外と知らない人が多いかも。」と思わず口にした、事故や仕事の怪我(労災)の対処法をインタビュー形式でまとめてみました。もしもの時のために、ぜひ今、読んでみてください。

オーストラリアの、救急車・警察・消防は迷わず000(トリプルゼロ)を。スマホから「位置情報を共有モード」で電話をかけると、オペレーターと現在地を共有することもでき、知らない土地での救助にも役立ちます。
インタビューしたのはこの方
リトルズ法律事務所 Littles Lawyers 豊川 美玲 Mirei Toyokawa さん
豪リトルズ法律事務所勤務マーケター。日本で外資系企業4社にて営業職および人事職に従事。現在は法律事務所でマーケターとして勤務する傍ら、プライベートで人事マネージャー職の経験を活かし、企業内人事の目線も交えて若手層のキャリア支援を行っている。

✔ 初回相談無料(日本語対応)
✔ No Win No Fee(完全成功報酬制) ✔着手金なし ✔弁護士費用後払い
マーケター&日本人担当窓口:Mirei ☎ 03 7065 7600
✉ mtoyokawa@littles.co

私自身は弁護士ではありませんが、日本人担当窓口として、日本人のクライアント様と弊社の弁護士とを繋ぐサポートをしています。
弁護士を使うと8倍取り返せる?

Mireiさん、オーストラリアでは、自分が被害者になった時に、事故や仕事の怪我の対処に弁護士を使うと自分で対処するよりも8倍ぐらい取り返せるって本当ですか?

もちろん全てのケースではありませんが、弁護士を介した場合と自身で保険会社の対応をした場合とでは、補償に8倍の差が出たとの統計もあります。*Australian Lawyers Alliance(ALA)の記事より抜粋

8倍の差は大きいですね。もしもの時に、知っていると損をしない賢い対処法を知りたいです!
誰も代わりにやってくれない、教えてくれない
日本で暮らしていたときの感覚で「保険会社が全部やってくれるはず」「会社が手続きしてくれるだろう」と思ってしまいがちですが、オーストラリアでは制度も流れもまったく違い、基本的に自己責任です。しかもオーストラリアでは、家を買う時や身近なトラブルなどでも「弁護士に相談する」というのが一般的だったりします。日本との違いも頭に入れておくと安心ですね。
受け取れるはずの補償やサポートを逃さないために

私を含め、日本人にありがちな誤解で補償を受け取りそこねるケースがあると聞き、誤解をまとめてみました。
保険会社や会社は代わりに手続きをしてくれない?
補償額に差が出る原因ですが…。実は、オーストラリアでは、保険会社が巧みに支払いを抑えるように動くことも多く、必要な治療や補償が認められない場合があります。保険会社はこの手のプロです。ですが保険会社に連絡する皆さんは人生に1度あるかないかでしょう。知識の差が出るのは当然です。だからこそ専門家に頼るのも1つの手段です。 出典)Self-represented CTP claimants v insurers: An unfair battle
また、オーストラリアでは、会社が労災保険の手続きを全て代わりにやってくれることは一般的ではありません。書類の申請や請求なども基本的には個人で行います(これは驚き!)。
自己負担はないから大丈夫→実は治療費以外も受け取れる?
メディケアがあるから治療費の負担がない、駐在なので会社が保険で全部やってくれるなど、実質負担がないように感じられることもあるでしょう。治療費だけを見るとそうかもしれませんが、オーストラリアのCTP保険 (交通事故)や労災保険の場合は、治療費・リハビリ費用だけでなく、給与損失補償と深刻な場合は一時賠償金が含まれています。こういった補償を受け取っていただくためにも、保険申請をご検討をお勧めします。
自分が保険に入っていなくても保険がおりる?
特にワーキングホリデーや旅行者の方で多いのが、保険に入っていない方。治療費が100%実費になると高額なので、腰がひけるのは十分理解できます。ただ、交通事故にあったり、仕事中に怪我をした場合は、第三者保険を使うことができます。交通事故被害の場合は、加害者が強制加入しているCTP保険、仕事中・通勤中の怪我は会社が加入している労災保険を使って、①治療・リハビリ、②給与損失、③一時賠償金の補償を受けていただけます。皆さん自身が保険に入っていなくても、大丈夫です。
怪我が軽いから大丈夫?
怪我や病気は、時間が経って症状が悪化することもあり得ます。しかし時間が経って第三者保険を使おうとしても残念ながら使うことはできません。なぜならその症状が過去の事故によるものかどうか証明できないからです。なので第三者保険は申請に期限があります。ただ、怪我・病気をした初期に通院記録があれば、遡って補償を受けられる可能性はあります。何よりもまずは病院に行きましょう。また、できるだけ早いタイミングで専門家に相談することをお勧めします。

事故やとっさの時にパニックでつい「I am alright!大丈夫です!」って言ってしまったばかりに後から治療費を請求できなかったと聞いたことがあります。また、その時は大したことがないと思ってその場を去ってしまうと後から請求できなくなることもあると。その時は大丈夫でも後から症状が出るケースも聞きますね。
私もつい「大丈夫!」というクセがあるので気をつけないと…。
弁護士費用は高い→初期費用なしもある
よくわかります。「弁護士=裁判」「弁護士=高い」というイメージを一般の人はもっています。ただ、この交通事故や労災などの保険請求を専門にしているオーストラリアの法律事務所は「No Win No Fee」(完全成功報酬型)で運営している事務所が多いです。要は勝訴しない限り、費用はいただかないというものです。初回相談が無料なのであれば、事故で怪我や病気をした時に、「まずは聞いてみる」だけでも皆さんにとって有益な情報が得られる可能性があります。

実は私達Littlesも、初回相談無料(日本語対応)、No Win No Fee(完全成功報酬制)で、着手金なし。しかも弁護士費用も後払いです。 不安に思われたら、まずはお問合せください。日本語を含む16言語にも対応しています。
マーケター&日本人担当窓口:Mirei ☎ 03 7065 7600

交通事故や労災で「弁護士に依頼」するイメージが湧かない…。
そうですよね。日本では、交通事故は自身で保険会社に連絡しますし、仕事中に怪我をしたら会社の人事部に連絡をして労災保険で対応することがほとんどかと思います。弁護士に依頼するのは大きなトラブルになったとき…というイメージでしょう。
しかし、オーストラリアでは事故や労災の補償制度が複雑で、適切な請求を行わないと本来受け取れるはずの補償額が大きく減ってしまうこともあります。弁護士は「争うため」ではなく、制度を正しく使い、最大限の補償を受けるためのサポート役のようなイメージです。なので、初期段階からご相談いただく方が、結果に大きく影響するケースも珍しくありません。そういった意味で、オーストラリアでは事故や怪我の保険請求時に弁護士に連絡することは一般的と言えます。
交通事故や仕事中に怪我をしたらどうすれば?
まずは安全の確保と医療機関の受診が最優先!
交通事故の場合は、事故現場の写真や相手の連絡先・車両情報を記録しましょう。オーストラリアでは、州によって異なりますが、多くの地域で、大きな事故でない限りは警察を呼ぶことは義務づけられていません。なのでご自身で相手の情報を記録しておく必要があります。最低でも相手の車のナンバーは写真を撮るなりして記録しましょう。
事故で怪我をした場合は、000に連絡をして救急治療を受けるか、軽度の場合は当日または次の日などに必ずGPを受診しましょう。
仕事中の怪我の場合は、直属の上司や雇用主に速やかに報告し、事故の状況を正確に残すことが重要です。後で「その怪我は本当に仕事中に負ったの?」と言われてしまわないためにも、その場で報告をして、治療をうけましょう。
治療費はどうなるの?
交通事故や労災などでの怪我や病気を治療する場合、第三者保険(CTP保険や労災保険)を申請することになります。ただ、申請手続きして、保険会社の承認を待つまで一定の時間がかかります。その間は、自費(保険加入者の場合は自身の保険を使用)で治療を受けることになります。

保険会社で承認がおりたら、自費で対応していた分は返金されますので、領収書を必ず保管してください。自己判断で治療を中断したり、領収書を捨てたりしないことが大切です。
何をどうやって申請する?
第三者保険は、多くの州で事故発生日から一定の期間内(例:28日以内)に保険会社へ申請が必要と決められています。申請はそれぞれの州によって異なり、各州でガイドラインがホームページ等に掲載されています。申請には、事故報告書(警察で発行されたレポートナンバー)・専用の診断書・本人情報などが必要で、期限を過ぎると請求が拒否されることもありますので、ご注意ください。
弁護士に相談するタイミングは?

できるだけ早くご相談されることをお勧めします。初回相談無料の法律事務所がありますので、まずは話を聞いてみるという感覚でも良いと思います。不安なく治療に専念できるメリットがあります。
弁護士に依頼することになったら、申請期限の管理、証拠の確保、保険会社とのやり取りがスムーズになりますし、何よりも皆さんは、不安なく治療に専念することができるようになります。
今までご相談いただいた方の中には、「事故当時は症状が軽かったから」「相手が手続きしてくれてるって言っていた」と様子を見ている間に申請期限が過ぎてしまい、補償を受けられないケースもありました。早めに相談することで、結果的に皆さんの時間や労力の負担が減り、精神的にもより安心して日々の生活に戻れるでしょう。

なるほど。保険会社に問い合わせる前に弁護士事務所に一度相談する方が良さそうですね!
リトルズ法律事務所の特徴

✔ 初回相談無料(日本語対応)✔ No Win No Fee(完全成功報酬制) ✔着手金なし ✔弁護士費用後払い
日本人担当窓口:Mirei ☎ 03 7065 7600
リトルズ法律事務所は、ブリスベンに本社を構え、シドニー、メルボルンをはじめ、オーストラリア全土に拠点を持つ人身傷害専門の法律事務所です。民事訴訟を専門に扱っており、とりわけ保険請求・示談交渉に強みをもっています。交通事故・労災・公共施設での事故・医療過誤など、様々な損害賠償請求に対応しています。
特に特徴的なのは、日本語をはじめ16言語に対応していること。マルチカルチャーに対応している分、様々なシーンでの対応にも長けています。例えば、交通事故に遭った時に、自分(日本人)以外に、パートナー(オーストラリア人)と友人2名(ラテン系と韓国人)が同乗していたとすると、すべての皆さんの言語でスムーズに対応ができます。また、ビザ終了により帰国される場合でも、手続きを続けて進めることにも長けています。
Mireiさんからオーストラリア在住の皆さんへのメッセージ

「何かあったらMireiさんに相談しよう」くらいの気持ちで、お守り代わりに気軽にSNSをフォロー頂けると嬉しいです。
私もこの仕事に就くまでは、弁護士事務所とは無縁の人生でした。だからこそ「弁護士に相談する」ということが、どれだけ敷居が高いかも理解しているつもりです。そして、こういった第三者保険の制度や弁護士に相談するという啓蒙活動だけでなく、小さなご相談からしっかりと対応できればと思っています。それもあって、SNSを中心にオーストラリア在住でも法律・病院・キャリアが皆さんの生活の身近になるような情報を発信しています。
インタビューを終えて
今回Mireiさんへのインタビューを通じて強く感じたのは、オーストラリアはやはり自己責任の考えがベースにあり、受け身でいると権利まで失うことがあるということ。ごく普通に生きている私ですら、11年で2回トリプルゼロしていますし、目の前の車が事故を起こすのを数回目撃者になったこともあります。人生何があるかわかりません。知っているだけでも安心なことってありますね。
また、弁護士の存在が日本よりも身近にあって、弁護士は安心して暮らすための身近なサポート役という考え方が理解できました。
最後まで読んでいただきありがとうございます。また、オーストラリアガイドを覗きに来てくださいね!Yuri

とりあえず、私は、事故や仕事の怪我をしたらMireiさんに連絡します!夫にも「8倍の差になることもあるらしいよ」と言い聞かせています(笑)。とはいえ、何もなく健やかに過ごせるのが一番ですね♡




