Total Fire Ban(全面火気禁止)とは?
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いよいよオーストラリアの暑い夏が本格的に始まりますね。国土の広いオーストラリアでは地域によって全く気候が異なるのも特徴、例えば昨日11月22日の午後5時(シドニー時間)の気温を見てみると…。東側の都市を上からケアンズ28℃、シドニー23℃、キャンベラ28℃、メルボルン35℃、21℃。真ん中を上からダーウィン33℃、アデレード35℃、西側パース22℃とけっこうバラバラ。
夏はBush Fire(森林火災)シーズン
さて、そんなオーストラリアでは、夏場の乾燥高温のシーズンには森林火事が発生します。タバコの火から発火というのもよく聞きますが、そもそも何もないところからも自然発火するって怖くないですか?乾燥した草が自然に発火するだけでなく、都会でも火災が起こりやすくなります。昔住んでいたメルボルンのアパートの近所でエアコンの室外機の横においてあった段ボールから発火して火事になる騒ぎもありました。本当に高温かつ乾燥度が高くて、本の少しのタバコの火や焚き火から飛んだ火の粉で発火したりします。
Fire Danger Rating System(火災危険度評価)標識
そんな背景から、道端や消防署の前にこのようなFire Danger Rating System(FDRS)の標識が表示されています。
乾燥高熱の地域に住む人は見たことがある人も多いと思います。冬場は放置されているのですが、気温が上がってくると復活します(ボランティアの方が手動で標識を動かしてくれているのだとか)。右にいって色が濃くなるほど火災発生のリスクが高まります。地域住民や観光客に森林火災のリスクを知らせるための重要な情報提供手段です。この標識が設置されている理由と各色の意味を以下に説明します。写真のものはビクトリアで地域によって若干異なりますが、基本的に色が濃くなって右下にいくほど危険度が上がると理解しておいで間違いありません。
緑色 – Low to Moderate(低~中)
火災のリスクは低いが、完全にゼロではありません。日常生活を続けられますが、火を使う際には注意が必要です。
黄色 – High(高い)
火災が発生する可能性があり、乾燥した条件では火が燃え広がりやすくなります。火の使用は慎重に行い、注意を払う必要があります。
橙色 – Very High(非常に高い)
火災の危険性がさらに高まり、燃え広がるスピードも速くなります。この段階では、警戒が強く求められます。
赤色 – Severe(深刻)
火災が急速に燃え広がる可能性が高く、状況は非常に危険です。避難準備を整え、状況の変化に注意を払う必要があります
濃い赤色 – Extreme(極端)
火災が予測不能な速さで広がるリスクがあります。この条件下では、早めに避難することが推奨されます。
紫色 – Catastrophic(壊滅的)
最も危険な状態を意味し、火災の影響を受けるエリアでは生存が非常に困難とされています。この評価が出た場合は、即座に安全な場所に避難する必要があります。
Total Fire Ban(全面火気禁止)発令
さて、本題に入って、特に高温乾燥の日にTotal Fire Ban(全面火気禁止)が発令されることがあります。Total Fire Banは名前の通り火災発生/拡大のリスクを最小限に抑えるために火の使用ができない日です。地域によってはタバコすら制限されます。Total Fire Ban(全面火気禁止)についてもう少し詳しくみてみましょう。
Total Fire Ban の発令中に禁止される行為
屋外での火の使用:焚き火、キャンプファイヤー、屋外グリルの使用、薪や炭を使ったバーベキュー。
花火:花火の使用。
庭や農場での燃焼作業:草木の焼却や農業用の火入れ。
発火源となる作業:スパークを発生させる可能性のある機械の使用(例: 溶接機や草刈り機)を制限される場合があります。
実際に、近所のハイウェイで、タイヤなしのウィールで走っている車がいて(頭がオカシイ人…)そこからスパークが発生、ハイウェイ沿いの芝生に火が付き森林火災が数カ所で発生したことがありました。幸い通りがかりの人たちが鎮火していたけど、そのくらい火の粉が飛ぶだけでも大火事になるリスクがあります。
煙草の使用:一部の地域では、屋外での喫煙も制限される場合もあります。
例外
一定の条件を満たす場合、以下の行為が許可されることがあります。ただし、州ごとに例外規定が異なる場合があるため、詳細は現地の規制を確認する必要があります。
ガスまたは電気を使用するバーベキュー:屋外でのガスまたは電気バーベキューは、特定の安全基準(例: 消火設備の設置や十分なスペースの確保)を満たせば使用可能な場合があります。
緊急事態での火の使用:消防署や救急サービスが緊急時に必要な火を使用することは許可されます。
許可を受けた行為:特定の産業作業や農業作業は、事前に許可を受けることで制限内で行える場合があります。
Total Fire Ban の発令条件
Total Fire Ban は以下のような条件が揃うと発令されます:気温が非常に高い。湿度が非常に低い。強風が予想される。火災危険度評価が「Severe(深刻)」以上と見なされる。発令の有無は通常、前日の夕方や当日の早朝に発表されるので、ローカルニュースを見ていればたいてい気づくこともできますし、ウェブニュースでも見れます。また、各州が出している緊急アプリやWebサイトでも情報を見ることができます。慣れてくるとその日の気温や風向きでなんとなく今日はTotal Fire Banだなとわかるようにもなります。
ブッシュファイヤー発生地域
クイーンズランド州(QLD)
熱帯地域が多いクイーンズランド州でも火災リスクが高い乾季があります。特に内陸部では標識が設置され、観光地や主要道路沿いで見られます。
ニューサウスウェールズ州(NSW)
特にブルーマウンテンズ地域や北部沿岸地域など、森林が多いエリアで見られます。Total Fire Ban(全面火気禁止)の警告も頻繁に発令されます。
南オーストラリア州(SA)
非常に乾燥した気候のため、火災リスクが高い地域です。
西オーストラリア州(WA)
西オーストラリア州は広大な地域で異なる気候を持ちますが、特に南部や内陸部では火災リスクが高いです。
タスマニア州(TAS)
島の気候は変わりやすいですが、夏季には火災リスクが増します。
ノーザンテリトリー(NT)
熱帯モンスーン気候ですが、乾季に火災リスクが高まります。
首都特別地域(ACT)
小さい地域ですが、乾燥した夏季には火災リスクが高まります。
火災を発見したら000にダイヤル
万が一、森林火災や火事を発見したら000(トリプルゼロ)にダイヤル。オーストラリアでは消防・救急・警察がすべて000で統一されています。スマホからの通報は位置情報をスマホから送れることもあり、住所がわからない旅行先などに便利です。自分の安全を確保して通報しましょう。また、森林火災が起こると近隣でなくても州をまたいでも煙が飛んできます。煙や火の粉がついていない単なる灰で消防に通報はしないようにしましょう。実は私は万が一、森林火災や火事を発見したら000にダイヤル。オーストラリアでは消防・救急・警察がすべて000で統一されています。スマホからの通報は位置情報をスマホから送れることもあり、住所がわからない旅行先などに便利です。自分の安全を確保して通報しましょう。また、森林火災が起こると近隣でなくても州をまたいでも煙が飛んできます。煙や火の粉がついていない単なる灰で消防に通報はしないようにしましょう。実は田舎に越してきてはじめの年に、煙で通報してしまったことがあります。森の隣に住んでいて、ブッシュファイヤーが30キロ圏内で数日に渡り発生していて、その日も高温乾燥だったため過敏になっていて、煙の出元が近くて通報してしまったことがあります。「火が見えない限り通報しないこと」と注意を受けました。ブッシュファイヤーで忙しい時に間違って電話のラインを塞いでしまって本当に申し訳ない気持ちになりました。
というわけで、野外アクティビティが多い夏のオーストラリアですが、火の気の取り扱いには注意して夏を楽しく過ごしてくださいね♡ オーストラリアガイド Yuri
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